海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【中国編】
世界の子育てをのぞいてみれば、日々の子育てに思わぬヒントをもらえるかもしれません。
「所変われば品変わる」というように、日本では当たり前だと思っていたことが、海外から見ると驚かれたり、うらやましがられたり。
そんな日本と海外の子育ての違いについて、海外在住のママに取材しました!
中国在住の小林はるかさん(33歳)。
夫のつよしさん(34歳)、息子のこうしろうくん(4歳)、娘のこころちゃん(2歳)の四人家族です。
「中国・北京在住歴4年になります。夫の仕事の関係で中国北京に駐在が決まりました。
先に夫が単身で1年生活し、上の子が10か月のときに北京に引っ越してきました。
4歳の息子はバイリンガル(中国語と英語)幼稚園に通っています。家族内ではもちろん日本語ですが、息子は通い始めて一年が過ぎた現在、中国語は日常会話レベル、英語は単語や簡単な文章が話せるようになりました。娘も産まれたときから雇っているアーイ(家政婦さん。中国人です)のおかげで簡単な中国語を理解し話せます」
「先日、日本に一時帰国した際のことです。電車とホームの隙間にベビーカーが挟まってしまっても、誰も助けてくれませんでした。これが中国なら寄ってたかって助けてくれるのに、ととても悲しくなりました。
意外かもしれませんが中国人は子どもにとっても優しいんです。
公共機関では必ず席を譲ってくれるし、レストランで子どもが騒いでも嫌な顔をするどころか店員さんが一緒に遊んでくれます。
高級店であっても必ず子ども用の椅子があり、日本のように子連れだと難しいかな・・・と感じることはまずありません。
寒い中こどもが手袋してなかったり、足首が見えていたりすると知らないおばさんに怒られることも多々(笑)。
知らない子どもでも我が子のように思って声をかけてくれるのです。おせっかいのようですが、これってとってもありがたいことですよね。
中国では子どを『宝宝(ばおばお)』と呼ぶことがあります。まさに『子は宝』を肌で感じられる国です。
日本でももっと子連れに対して温かく接する思いやりが増えれば、日本のママももっとストレスなく子育てできるのではと思います」
「日本の幼稚園は大体が14時30分ごろお迎えだと聞いてびっくりしました。
北京の現地ローカル幼稚園は朝8時から17時までが基本です。そして3食おやつ付き!
中国も共働きの家庭が多いのでこれはとてもニーズにあっているなと思いました。私の息子が通っている幼稚園でも16時帰り。
その分私も家事だけでなく自分の時間を持つことができ、習いごとなどにも余裕をもって参加できるので、充実した生活を送ることができます」
「私は二人目を北京で出産しました。理由は夫に貴重な新生児期を側で見させてあげたかったから。
一人目の時は予定日に合わせて夫が一時帰国し、誘発分娩。
産後数日後にまた北京に戻らなければならず、とてもかわいそうでした。
色々と不安はありましたが、 実際北京で出産してみると日本での出産より快適に産後が過ごせたんです。
その一因はアーイという家政婦さんの存在です。
私の場合、自分が病気になったとき子どもを見てくれる人がいないと大変なので、来た当初からアーイを雇いました。
中国では産後1か月は何もしちゃいけない! と言われています。
昔はシャワーを浴びるのも、クーラーにあたるのもダメだったそう。
今はそこまでではないですが、産後は大事という概念は変わりません。
アーイはとにかく体をいたわってくれて、日中はほぼ赤ちゃんの面倒はアーイが見て、私は授乳と休むの繰り返し。
そのおかげで産後の立ち上がりもよく、ストレスを感じることもありませんでした。また、アーイがいるおかげで産後の上の子に対するケアが手厚くできたことは本当によかったと思います。
赤ちゃんが寝たらアーイにみてもらって、上の子と二人でちょくちょくデートにでかけ、二人でいる時間を意識的に増やすことができました。
よく下の子が生まれると上の子が寂しい思いをする、と聞きますが、そういう思いをあまり感じさせず生活できたと思います」
「中国はとにかくデリバリーがすごいんです。デリバリー仲介業者が多くありデリバリーできない店はないくらい。
例えばスタバのコーヒーや北京ダックはもちろん、火鍋だって鍋とコンロ付きでデリバリーしてくれるんです!
外食に子どもを連れていくとぐずったりで逆に疲れるなぁと思ったときはすぐデリバリー。
ママ友とのお家遊びにも重宝します。
1時間も待てばお家でいろんなジャンルのお店の料理が食べれてママは嬉しいし、お家で子どもたちはわいわい遊んでてくれるので大助かりです。
このデリバリー文化、日本にも来たらいいのになぁ」
「タクシー初乗りが13元(約200円)ととても安い! 子連れだと毎日のように使用しています。
空気が悪い日はなるべく短時間で移動したいのでありがたいです。
でも子どももタクシー移動に慣れているので、日本に一時帰国したとき、道で手をあげてタクシーを停めようとするので焦ります(笑)。
さらに、中国にはタオバオという通販サイトがあってなんでも買えちゃいます。中国人曰く、子ども以外買えないものはない! というほど(笑)。
そして日本で買うより安いことも。
例えばお誕生日やクリスマスに使うようなガーランドなどの装飾品は日本の半額以下、生地などもびっくりするくらい安く購入できます」」
「空気です(笑)。
日本で報道されているように北京は空気が悪いことが多々。
北京生活、毎朝空気の指標をみることから始まります。特に空気が悪くなる冬は日本の澄んだ空気が恋しくなります」
「中国は造るの早いけどとにかく雑。道もがったがたでベビーカーは押しにくいし、もろに振動が伝わって乗ってる子どもも不快そうです・・・」
「公衆衛生もまだまだな中国。
犬の糞の片づけやタバコのポイ捨て、ツバ吐きに対するマナーの意識はまだまだなので、やはり衛生面が安心な日本は素晴らしいと思います」
「日本での育児と北京での育児、両方を経験して思ったのは、子育ては一人で背負い込んだらいけない、ということ。
一人目の時は正直辛かったです。
里帰りで両親はいたけれど共働きで日中は不在。特別よく泣く息子と一日中二人きり、愚痴れる夫は海の向こう。
一人目で勝手がわからずほぼ引きこもり。思い返すだけで辛くて涙が・・・。
今思えば周りに頼れる人を見つけてもうちょっと甘えればよかったんですよね。
日本人のママは責任感が強く自分の子なんだから自分がちゃんとみなくちゃ! 甘えちゃいけない! と頑張りがちな気がします。
でも甘えったっていいんですよね。北京では大抵おじいちゃん、おばあちゃん、アーイに近所の友だち、みーんなで子育てしてる。
だからといって母と子、父と子の愛情が薄れるわけじゃない。
一人背負い込んで辛い顔をしてるママよりも、笑顔の多いママのほうが子どももうれしいはずですよね。
日本だと核家族化が進み、家政婦さんも普及していませんし、なかなか難しいのもわかります。
頼れる人を一人でもみつけて背負い込まない育児をしていけたらいいですね」
日本と海外の子育ての違い【中国編】、いかがでしたでしょうか。
子は宝、みんなで子育て、そんな雰囲気がひしひしと伝わってきて、想像以上に子育てを楽しめる環境なのだということを感じるレポートでした。
小林さんの言葉のように、背負い込まない育児を、一人でも多くのママが楽しめますように。
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世界の子育てをのぞいてみれば、日々の子育てに思わぬヒントをもらえるかもしれません。
「所変われば品変わる」というように、日本では当たり前だと思っていたことが、海外から見ると驚かれたり、うらやましがられたり。
そんな日本と海外の子育ての違いについて、海外在住のママに取材しました!
中国在住の小林はるかさん(33歳)。
夫のつよしさん(34歳)、息子のこうしろうくん(4歳)、娘のこころちゃん(2歳)の四人家族です。
「中国・北京在住歴4年になります。夫の仕事の関係で中国北京に駐在が決まりました。
先に夫が単身で1年生活し、上の子が10か月のときに北京に引っ越してきました。
4歳の息子はバイリンガル(中国語と英語)幼稚園に通っています。家族内ではもちろん日本語ですが、息子は通い始めて一年が過ぎた現在、中国語は日常会話レベル、英語は単語や簡単な文章が話せるようになりました。娘も産まれたときから雇っているアーイ(家政婦さん。中国人です)のおかげで簡単な中国語を理解し話せます」
海外から見た日本の子育て「ここが不思議!」
『子は宝』を肌で感じにくい国
「先日、日本に一時帰国した際のことです。電車とホームの隙間にベビーカーが挟まってしまっても、誰も助けてくれませんでした。これが中国なら寄ってたかって助けてくれるのに、ととても悲しくなりました。
意外かもしれませんが中国人は子どもにとっても優しいんです。
公共機関では必ず席を譲ってくれるし、レストランで子どもが騒いでも嫌な顔をするどころか店員さんが一緒に遊んでくれます。
高級店であっても必ず子ども用の椅子があり、日本のように子連れだと難しいかな・・・と感じることはまずありません。
寒い中こどもが手袋してなかったり、足首が見えていたりすると知らないおばさんに怒られることも多々(笑)。
知らない子どもでも我が子のように思って声をかけてくれるのです。おせっかいのようですが、これってとってもありがたいことですよね。
中国では子どを『宝宝(ばおばお)』と呼ぶことがあります。まさに『子は宝』を肌で感じられる国です。
日本でももっと子連れに対して温かく接する思いやりが増えれば、日本のママももっとストレスなく子育てできるのではと思います」
幼稚園の預かり時間が短い
「日本の幼稚園は大体が14時30分ごろお迎えだと聞いてびっくりしました。
北京の現地ローカル幼稚園は朝8時から17時までが基本です。そして3食おやつ付き!
中国も共働きの家庭が多いのでこれはとてもニーズにあっているなと思いました。私の息子が通っている幼稚園でも16時帰り。
その分私も家事だけでなく自分の時間を持つことができ、習いごとなどにも余裕をもって参加できるので、充実した生活を送ることができます」
産後が大変!
「私は二人目を北京で出産しました。理由は夫に貴重な新生児期を側で見させてあげたかったから。
一人目の時は予定日に合わせて夫が一時帰国し、誘発分娩。
産後数日後にまた北京に戻らなければならず、とてもかわいそうでした。
色々と不安はありましたが、 実際北京で出産してみると日本での出産より快適に産後が過ごせたんです。
その一因はアーイという家政婦さんの存在です。
私の場合、自分が病気になったとき子どもを見てくれる人がいないと大変なので、来た当初からアーイを雇いました。
中国では産後1か月は何もしちゃいけない! と言われています。
昔はシャワーを浴びるのも、クーラーにあたるのもダメだったそう。
今はそこまでではないですが、産後は大事という概念は変わりません。
アーイはとにかく体をいたわってくれて、日中はほぼ赤ちゃんの面倒はアーイが見て、私は授乳と休むの繰り返し。
そのおかげで産後の立ち上がりもよく、ストレスを感じることもありませんでした。また、アーイがいるおかげで産後の上の子に対するケアが手厚くできたことは本当によかったと思います。
赤ちゃんが寝たらアーイにみてもらって、上の子と二人でちょくちょくデートにでかけ、二人でいる時間を意識的に増やすことができました。
よく下の子が生まれると上の子が寂しい思いをする、と聞きますが、そういう思いをあまり感じさせず生活できたと思います」
デリバリーできる店が少ない
「中国はとにかくデリバリーがすごいんです。デリバリー仲介業者が多くありデリバリーできない店はないくらい。
例えばスタバのコーヒーや北京ダックはもちろん、火鍋だって鍋とコンロ付きでデリバリーしてくれるんです!
外食に子どもを連れていくとぐずったりで逆に疲れるなぁと思ったときはすぐデリバリー。
ママ友とのお家遊びにも重宝します。
1時間も待てばお家でいろんなジャンルのお店の料理が食べれてママは嬉しいし、お家で子どもたちはわいわい遊んでてくれるので大助かりです。
このデリバリー文化、日本にも来たらいいのになぁ」
物価が高い
「タクシー初乗りが13元(約200円)ととても安い! 子連れだと毎日のように使用しています。
空気が悪い日はなるべく短時間で移動したいのでありがたいです。
でも子どももタクシー移動に慣れているので、日本に一時帰国したとき、道で手をあげてタクシーを停めようとするので焦ります(笑)。
さらに、中国にはタオバオという通販サイトがあってなんでも買えちゃいます。中国人曰く、子ども以外買えないものはない! というほど(笑)。
そして日本で買うより安いことも。
例えばお誕生日やクリスマスに使うようなガーランドなどの装飾品は日本の半額以下、生地などもびっくりするくらい安く購入できます」」
海外から見た日本の子育て「ここがうらやましい!」
日本の澄んだ空気が恋しい
「空気です(笑)。
日本で報道されているように北京は空気が悪いことが多々。
北京生活、毎朝空気の指標をみることから始まります。特に空気が悪くなる冬は日本の澄んだ空気が恋しくなります」
道がきれいに舗装されているところ
「中国は造るの早いけどとにかく雑。道もがったがたでベビーカーは押しにくいし、もろに振動が伝わって乗ってる子どもも不快そうです・・・」
衛生的で安心
「公衆衛生もまだまだな中国。
犬の糞の片づけやタバコのポイ捨て、ツバ吐きに対するマナーの意識はまだまだなので、やはり衛生面が安心な日本は素晴らしいと思います」
日本の子育てママさんたちに伝えたいことは?
「日本での育児と北京での育児、両方を経験して思ったのは、子育ては一人で背負い込んだらいけない、ということ。
一人目の時は正直辛かったです。
里帰りで両親はいたけれど共働きで日中は不在。特別よく泣く息子と一日中二人きり、愚痴れる夫は海の向こう。
一人目で勝手がわからずほぼ引きこもり。思い返すだけで辛くて涙が・・・。
今思えば周りに頼れる人を見つけてもうちょっと甘えればよかったんですよね。
日本人のママは責任感が強く自分の子なんだから自分がちゃんとみなくちゃ! 甘えちゃいけない! と頑張りがちな気がします。
でも甘えったっていいんですよね。北京では大抵おじいちゃん、おばあちゃん、アーイに近所の友だち、みーんなで子育てしてる。
だからといって母と子、父と子の愛情が薄れるわけじゃない。
一人背負い込んで辛い顔をしてるママよりも、笑顔の多いママのほうが子どももうれしいはずですよね。
日本だと核家族化が進み、家政婦さんも普及していませんし、なかなか難しいのもわかります。
頼れる人を一人でもみつけて背負い込まない育児をしていけたらいいですね」
まとめ
日本と海外の子育ての違い【中国編】、いかがでしたでしょうか。
子は宝、みんなで子育て、そんな雰囲気がひしひしと伝わってきて、想像以上に子育てを楽しめる環境なのだということを感じるレポートでした。
小林さんの言葉のように、背負い込まない育児を、一人でも多くのママが楽しめますように。
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【アメリカ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【フランス編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【インドネシア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オランダ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【スウェーデン編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【シンガポール編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オーストラリア編】
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