ピアノを習う子は頭が良くなる”は本当? ウワサを検証

株式会社 ニコ・ワークス

ピアノを習う子は頭が良くなる”は本当? ウワサを検証

2015/12/16 ピアノを習う子は頭が良くなる”は本当? ウワサを検証

この春からお子さまが幼稚園や小学校に入園・入学されるご家庭の場合、冬の段階で、お子さまにどんな習いごとをさせるか、考えはじめる方も多いのではないでしょうか。

特に「ピアノ」は「情操教育」や「脳の発達」を期待されることが多い人気の習いごとでもあります。

カシオ計算機株式会社が、国内難関大学の20~30代在校生・卒業生男女300名を対象に、子どもの頃の「ピアノレッスン」と「学力」に関する意識・実態調査を行った結果、多くの難関大生の43%が早期に「ピアノレッスン」を始めており、 「子どもの頃のピアノレッスン」がご自身の「情操教育」「学力」に影響があったと考えていることがわかりました。

実際にピアノ経験者300名を対象に「子どもの頃のピアノレッスン」についてどう感じているのか、意識・実態調査を行いました。

 


 

調査概要

調査名:「子どものピアノレッスン」に関する意識・実態調査

調査対象:東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学の文系 または 理系学部の在校生・卒業生 20~30代男女 ピアノ経験者300名

調査期間:2015年12月1日(火)~12月3日(木)

調査方法:インターネット調査


 

 

ピアノをはじめるきっかけは「母親」

カシオ計算機株式会社の調査結果によると、難関大生の43%が「ピアノ」を習った経験があると回答しています。

 

ピアノ経験者の方はどのような時期からピアノを習いはじめるのでしょうか?

 

「ピアノを習いはじめる年齢」

「3歳」が22%で最多、「5歳」が21%で続き、平均年齢は「5.1歳」となりました。

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やはり幼稚園入園前や小学校入学前に「ピアノ」を習いはじめる人が多いようです。

 

 

では、ピアノ経験者が「ピアノ」を習いはじめることになったきっかけは何だったのでしょうか?

「『ピアノ』を習うきっかけになった人」は、

1位 「母親」 71%

2位 「自分(自主的に習い始めた)」 24%

3位 「姉妹」12%

ここからは、「ピアノレッスン」をはじめるきっかけとして、「母親」が重要な役割を果たしていることが読み取れます。

 

さらに、「家庭での練習頻度」について聞いてみると、

「週に1回以上」が92%と全体の9割以上を占め、

「毎日練習していた」という人は全体の20%に及びます。

ここからは、難関大生たちも子どもの時には「ピアノ」にしっかりと取り組んだ経験があることがわかります。

 

 

 

東大生も「脳のトレーニング」を実感!? 音感だけでなく表現力、心の豊かさも

そんなピアノ経験者たちに 「子どもの時に『ピアノ』を習っていて、大人になってから良かったと思った経験の有無」をたずねると、

70%が「良かったと思った経験あり」と回答しています。

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具体的には、

「音感が良いと言われる。カラオケなど音程に狂いがない」(慶應義塾大学・男性・36歳)といった「音感」に対する意見のほか、

「左右の手や足を使うので、脳のトレーニングになったと思う」(慶應義塾大学・女性・33歳)、

「耳が良くなったようで、英語の聞き取りの上達スピードが速い」(東京大学・女性・35歳)など、

「脳」のトレーニングに関わる要素を挙げる方も見られます。

 

さらに難関大生に「ピアノ」を習うことを通じて身につけられたと思う能力を挙げてもらうと、

「音感」 67%

「表現力」 36%

「心の豊かさ」 28%  が続きました。

「情操教育」として期待されている感情面や、さらに思考に関わる面における効果を、難関大生たちが実感していることがうかがえます。

 

 

 

難関大生、7割以上が「ピアノ」には脳の機能向上に役立つと思うと回答

では、子どもの時の「ピアノレッスン」の影響を現在どのように感じているのでしょうか?

 

ピアノ経験者にたずねると、

64%が「自分の『情操教育』に影響があったと思う」と回答しました。

また、「『ピアノ』は脳の機能を向上させる上で役立つと思う」と「学習」に関する影響を挙げたピアノ経験者も73%に上ります。

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ここからも、子どもの時の「ピアノレッスン」に、「学習」への影響力を感じているピアノ経験者たちの多さが注目できます。

 

そんな「ピアノレッスン」のどのような部分が「子ども」に影響を与えると思うかたずねると、

「音に興味を持つこと、コツコツ練習すること」(東京大学・女性・35歳)、

「広い視野をもちながら両手で作業することが、思考力を良くしてくれそう」(早稲田大学・男性・38歳)

など、「練習を積むこと」や「指を動かすこと」に対する意見が寄せられました。

また、ピアノ経験がある難関大生の83%が「子どものうちにピアノを習うことはおすすめできる」と考えています。

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このような結果から、「ピアノ」はお子さまが小さいうちに習わせたい習いごとの一つだといえるでしょう。

 

 

 

ピアノのエントリーモデル選びの悩み…7割近くが「価格がネックになると感じる」

ピアノ経験者がおすすめする「ピアノ」ですが、初めて習う時にどのような点に注意すればよいのか分からないと、不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこでまず、子どものために「ピアノのエントリーモデル(初心者向け製品)」を購入する際に<重視すべきだと思うポイント>を、

自身の「ピアノ」経験をふまえてたずねました。

その結果、

「鍵盤タッチのよさ」 58%

「音色のよさ」 53% が続き、

半数以上が「指を動かす」ことに関わる“鍵盤タッチ”、さらに楽器としての“音色”を重視していることがわかります。

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一方で、「ピアノのエントリーモデル」購入時に<ネックになると思うポイント>としては

「価格」 68%

「本体の大きさ」 64%

「本体の重さ」 35%が続き、

長く使う「ピアノ」だけに7割近くのピアノ経験者が「価格」が最もネックになると考えていることが明らかになりました。

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「鍵盤タッチ」「音色」を重視したい一方で、本格的な「ピアノ」になればなるほど「価格」がネックになるという、「エントリーモデル選び」の悩みがうかがえます。

ピアノ経験者たちからも「エントリーモデル」の条件として

「音色がよいものが、安価で手にはいること」(東京大学・女性・38歳)

「小型・軽量化された電子ピアノで実物同様の打鍵感があるもの」(京都大学・男性・39歳)といった

「本格的な鍵盤タッチ、音色」と「価格、サイズの手ごろ感」を兼ね備える「デジタルピアノ」への意向もうかがえる結果になりました。

 

 

学習・教育の専門家が語る! 子どもの「ピアノレッスン」と「学力」の秘密

ここまで、ピアノ経験者に調査を行ってきましたが、専門家は一体どのように考えているのでしょうか。

最後に、お子さまの教育・学習事情に詳しい陰山英男氏に、「子どものピアノレッスンと学力の関係」についてお話をうかがいました。

 

 

教育の現場から見る、「東大生」と「ピアノレッスン」の関係とは?

 

私が代表理事を務める教育系のNPO団体には、東大生が多く所属しています。

その学生たちとよく話をするのですが、ピアノが弾ける東大生は多いと感じることがあります。

今回の調査結果では43%の難関大生が子どもの時に「ピアノ」を習っていたと回答しているようですが、

「東大生」だけに絞っても「子どもの時の習いごと」には「ピアノ」が多いようです。

また、東大を出て教育関係の仕事に就いている人の話を聞くと、彼は法学部で、ショパンを弾けるのは自分ぐらいだろうと自負していたようですが、ゼミの中では、自分よりピアノの上手い人が3人もいて驚いたという話も聞きました。

中高一貫の有名な学校では、中学入学と同時に、ピアノなど何か1つ得意な楽器をもつことを課題としている学校もあります。

このことからも、幼い頃からピアノに触れることが、脳の成長に影響を与え、子どもを高学力に導く可能性が高いと感じています。

 

 

ピアノの「徹底的な反復練習」がもたらす優れた学力…家庭練習でのポイントは「子どものための環境」

 

「子どもの学力を高めるためには、優れた学習を徹底的に反復することが重要である」というのが私の考えです。

例えば、「百ます計算」を繰り返し行うと、社会や理科の他の科目の成績も上がるというデータがあります。

「ピアノ」の反復練習は、一定の決まりに従って指を早く正しく動かすことを反復しながら練習し、高度に脳をフル回転させ、その働きを高めていると感じます。

よって、ピアノの反復練習は、“一般的な学習”にも良い影響を与えると考えられます。

 

一方、ピアノ練習には、高度な集中が求められます。

「家庭でのピアノ練習」の際、そこで注意をしたいのは、集中させようと思って子どもにプレッシャーを与え、緊張させてしまうことです。

緊張は集中を阻害し、子どもを委縮させ、能力を発揮できなくしてしまいます。

子どもの集中が最も高くあらわれるのは、リラックスした環境と、面白い・楽しいなどの感情が生まれている時です。

日本では緊張と集中が混同され、リラックスさせることが実は集中を生み出すということを理解しないまま、子どもに圧迫を与えることがあります。

子どもに合ったピアノ選びを行うなど心地よい環境で、面白さを感じながら楽しく練習させることで、子どもの高度な集中が生まれ、「ピアノレッスン」が効率的に出来ることにつながってくるのです。

 


陰山英男(かげやま ひでお)-教育学-

1958 年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。

兵庫県朝来(あさご)町立(現、朝来市立)山口小学校教師時代から反復練習で基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立し脚光を浴びる。2003 年4月広島県尾道市立土堂(つちどう)小学校校長に全国公募により就任。

百マス計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やコンピューターの活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。立命館大学 教育開発推進機構 教授 (立命館小学校校長顧問)。

NPO法人日本教育再興連盟 代表理事。徹底反復研究会代表。

著書:『本当の学力をつける本』『学力の新しいルール』(文藝春秋)、『陰山メソッド 徹底反復』シリーズ(小学館)・・・他多数

 

陰山英男 Official Web Site http://kageyamahideo.com/

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陰山英男氏

 

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提供:カシオ計算機

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