【待機児童問題】~第2回~ まさかの待機児童!?

株式会社 ニコ・ワークス

【待機児童問題】~第2回~ まさかの待機児童!?

2015/08/07 【待機児童問題】~第2回~ まさかの待機児童!?

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2015年4月から、「子ども・子育て支援新制度」が全国で始まりました。「待機児童の解消」が高らかにうたわれてますが、その解釈や運用の仕方はそれぞれの自治体に任されています。また、住んでいる地域によっても子育ての環境が異なることが問題になっています。

今回はシリーズで、その背景にある待機児童の問題について、その現状と実態を紹介していきたいと思います。

(前記事)【待機児童問題】~その1~ 待機児童って?

 

 

40ポイントでも保育園には入れない!

 東京都杉並区にお住いのママAさんは、現在育児休暇中。幼稚園に通う3歳児 長女と8ヶ月の次女を子育て中です。

ご主人と共にフルタイム勤務で、保育所に入る指数を表す保育基準点数も40ポイント×2の80ポイント(夫婦とも月20日以上、1日8時間以上の就労の場合には各20ポイント)でありながらも、育児休暇あけ、認可保育所、認証保育所にも入ることができず、0歳から2歳児対象の9人制の家庭保育室(8:30~17:00)に長女を預けることになりました。

 家庭保育室の保育は、給食もあり、毎日のお散歩もあり満足していましたが、0歳から2歳までの保育室であるために、3歳からは他に転園が必要となりました。

その間に次女を出産、育児休業中のため、保育園に転園もできず、長女は幼稚園に通園することとなりました。まさか幼稚園に入るとは考えていなかったために、幼稚園のプレイベントにも参加せず、第一希望の幼稚園には入れず、自宅から自転車で10分程度かかる幼稚園に入園することになり。次女をおんぶしながらの送り迎えとなりました。預かり保育の体制は1時間250円で18時まであるのですが、全日程預かり可能ではないので、祖父母のサポートも受けることになるそうです。

 

 

やむを得ず転職も考えています!

 Aさんは、2016年4月に仕事復帰を検討しています。会社は時短勤務も可能で4時間、6時間と時間を選択できるのですが、10時~15時の4時間で、移動時間往復で2時間をを考えると、長女・次女が同じ保育所に入所できなければ、ママの仕事を転職も含めて再検討することも考えているといいます。

 仕事と子育ては両立させたい気持ちはありますが、週3~4日働いて子育てもするというニーズに答えられる保育環境があってもよいのではないかと考えてしまうといいます。

 現在、Aさんは、親子向け情報誌の製作にかかわったり、ベビーマッサージの教室を開くなど杉並区のママたちの子育て支援もしています。

仕事も子育ても大切にしたいというママの思いを強く感じました。

 

 

「待機児童ゼロ」とはいうけれど

 東京都杉並区は、「待機児童ゼロ」を掲げ、2015年春に2~5歳の各年齢で初めて「待機児童ゼロ」を達成していますが、0~1歳は42人の待機児童がでています。区長コメントによれば、「赤ちゃんが想定以上に生まれたため」とされています。4月1日現在の0歳児は、4480人で、前年同期より327人多くこの10年で最多となっています。

ママAさんのように、3歳児でやむを得ず幼稚園入園に踏み切ったケースは、待機児童とはみなされてはいない。しかし、ママの育児休暇あけには、保育園でお世話になれたらという願いがある。統計には表れない潜在的待機児童の数はまだまだあるのだとと思われます。

 

(文/関本初子)

(続く)【待機児童問題】~その3~ ママたちの叫び!?



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Makkin Corporation プランナー /関本 初子

 公立保育園勤務10年の後、学童や子ども塾、認可外保育所、事業所内保育所、院内保育所等、数々の施設長を通じ、2000人余りの子どもたちとその両親の成長をサポート。その他、専門学校非常勤講師、保育士資格取得講座講師として、保育士の育成にも関わる。アドラー心理学 親と子のカウンセリング スマイルリーダーとして、「勇気づけの子育て支援」をベースとした、企画・実践に定評がある。

 

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