【待機児童問題】~第3回~ ママたちの叫び

株式会社 ニコ・ワークス

【待機児童問題】~第3回~ ママたちの叫び

2015/08/07 【待機児童問題】~第3回~ ママたちの叫び

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2015年4月から、「子ども・子育て支援新制度」が全国で始まりました。「待機児童の解消」が高らかにうたわれてますが、その解釈や運用の仕方はそれぞれの自治体に任されています。また、住んでいる地域によっても子育ての環境が異なることが問題になっています。

今回はシリーズで、その背景にある待機児童の問題について、その現状と実態を紹介していきたいと思います。

(前の記事)【待機児童問題】~第1回~ 待機児童って?

      【待機児童問題】~第2回~ まさかの待機児童!?

 

 

練馬区は、「保育園の定員を増やせば増やすほど、待機児童が増える」!?

平成20年の練馬区の保育所定員は9,243人。待機児童が254人。

平成24年認可保育園を81か園から96か園に増やし、定員も1,903人(21%)増えましたが、待機児童の人数は増加、平成24年には523人に倍増。

待機児童が多くいる状況を受け、保育園の入園申請をせずあきらめている「潜在待機児童」が存在しているのです。「潜在待機児童」は「待機児童」にカウントされていません。

練馬区は、保育園を増やしたことで、「潜在待機児童」が入園申請手続きを行うようになり、結果、待機児童の数が増加することとなりました。

練馬区は、引っ越して来る児童も多く、児童数が多く、単純に保育園の数が足りていない問題があります。また、正確な待機児童が把握でていない現状があり、「待機児童」の数が増えているのです。

 

 

安心して仕事も子育ても出来る環境を

練馬区に住むママBさんにお話を聞いてみました。

 Bさんは、小学校1年生と保育園3歳クラス児、7か月の子どもがおり、現在、末子の育児休業中で2016年4月に復帰予定。

非事務職公務員のため、復帰後の赴任先は、まだわからないといいます。配属先もわからないまま保育園の入園申請をすることになるのです。職場から遠かったらどうなるのだろうという不安があるといいます。3人目の子どもなので優先的に保育園に入れる加算もあるので保活については、あまり焦ったりはしていないといいます。

 しかし、同じ職場に育児休暇あけで、子どもが認可保育園に入れず、保育ママに預けないといけないようなママ友もいるので、自分もそうなったらどうしようという不安はあるといいます。

 練馬区の保育園が増えたといっても、認可であっても、園庭がない、施設が狭い、線路の下に立地しているなど、子どもにとって理想的とはいえない 環境であったり、子どもが外に出ているのをみたことがないなど、保育の質にも不安があるといいます。

 

 

不安はつのるばかり…

保育園に入ったばかりの子どもはママが仕事に出かける姿を見送る時に必ず泣きます。

ママも後ろ髪をひかれながら仕事へと出かけて行きます。しかし、だんだん保育園に馴染んできて先生との信頼関係ができ、お友だちができ、社会性が育まれていきます。

保育園は、ママの仕事のためだけに預けられているのでなく、社会で子どもが育まれていく環境です。

ママたちの切実な声や実態は、どのように国や自治体に伝えていけるのでしょうか?

2015年4月の段階で練馬区の待機児童数は、東京23区でワースト4位となっています。

 

(文/関本初子)

(続く)【待機児童問題】~その4~減らない待機児童をどうすればよいのか?



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Makkin Corporation プランナー /関本 初子

 公立保育園勤務10年の後、学童や子ども塾、認可外保育所、事業所内保育所、院内保育所等、数々の施設長を通じ、2000人余りの子どもたちとその両親の成長をサポート。その他、専門学校非常勤講師、保育士資格取得講座講師として、保育士の育成にも関わる。アドラー心理学 親と子のカウンセリング スマイルリーダーとして、「勇気づけの子育て支援」をベースとした、企画・実践に定評がある。

 

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