全成分表示は、必ずしも安全性を示していない!

株式会社 ニコ・ワークス

全成分表示は、必ずしも安全性を示していない!

2014/09/02 全成分表示は、必ずしも安全性を示していない!

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2001年4月1日に薬事法改訂によって、全成分表示が義務づけられました。文字通り、全ての成分を表示させるといったものになります。赤ちゃんやお子さんがいらっしゃると、日常的に使用する洗剤や石けん、シャンプーなどの成分は気になりますよね?

「全成分が表示されていれば安心」と、思うパパやママがいらっしゃるかもしれません。しかし、この全成分表示が必ずしも私たちにとってプラスになっているとは言えない現状があります。

全成分表示に潜む危険を見ていきましょう。

 

 全成分表示と旧指定成分表示とはどのように違うの?

全成分表示が義務づけられる前は、現在だと旧指定成分と呼ばれる表示指定成分を表示する義務がありました。この旧指定成分とは、1980年に旧厚生省が「ごくまれにアレルギー等の肌トラブルを起こす恐れのある成分」として102種類の成分をリスト化したものになります。

一例をあげれば、界面活性剤として用いられたラウリル硫酸塩類や、紫外線吸収剤や安定化剤として用いられたオキシベンゾンなどがあげられます。

大人よりも肌が弱い赤ちゃんやお子さんにはぜひとも避けたい成分ですが、102種類もの成分を記憶し、商品を選ぶのは現実的ではありませんよね。ここに全成分表示の落とし穴があります。

 

全成分表示の落とし穴とは、どういったもの?

全成分表示は全ての成分を表示しているために、なにが入っているか分かるので安全性が高そうに思えますよね。

しかし、上記で書いたように旧指定成分を覚えていないと見過ごしてしまうなど、知っておかないとハマってしまう落とし穴があるのも事実です。

化粧品の表示を例に出すと、1%未満の成分は順不同で構わないという点があげられます。この点で一体なにが問題になるかというと、成分をただ羅列しているだけの表示方法の場合は、どの成分から1%未満なのか分からないということがあげられます。そのため、1%未満グループの中で一でも美容成分があれば、それをそのグループの中で先頭にもってくるだけで、その商品の印象が良くなってしまいます。

また、キャリーオーバー成分を表記する義務はありません。キャリーオーバー成分とは、エキスを抽出する際に使用したものや、原料を安定させる目的で配合される、安定剤や酸化防止剤、防腐剤などを指します。全成分表示とうたっていても、これらを使用しても表示する義務がないという落とし穴があります。

この点に関しては、前回のコラム「イメージだけで選ばない!無添加表示に隠された罠とは」でも触れていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

商品を選ぶ際に気をつけたいこととは?

102種類もの旧指定成分を覚えて、しかも表記されていないキャリーオーバー成分に気を配っていては、忙しいパパやママの体が持ちません。

そこで商品を選ぶ際には、必要なものだけで作られているか、という点に気をつけてみてはいかがでしょうか。また、旧指定成分の知識がなくても分かるハーブや漢方などが香料や美容成分の代わりとして入っているかなど、自分が分からないものが入っていないかを見分けることが大切です。

また、特定の成分を避ける方法も効果的です。例えば、シャンプーを選ぶ際には、「ラウリル」や「硫酸」がつく成分を避けるようにする、というだけでもかなりの確率で良くない成分が入っているシャンプーを避けることが出来ます。

さらに石けんや洗剤の中には「天然系」など「○○系」という表記をしているものがあるかと思います。これは、実際に天然成分に似せた化学合成物質をつかっている場合もあるので注意が必要です。

このように、全成分表示は成分を表示していることが、安全性を保障していることに繋がるわけではありません。むしろ、パパやママがきちんと表示を見た上で、赤ちゃんやお子さんのために、選ぶ必要があります。

全成分表示という表記方法を正しく理解し、数ある商品の中から適切なものを選んで下さいね!

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