日光浴不足が原因?増える子どもの「くる病」に要注意!

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日光浴不足が原因?増える子どもの「くる病」に要注意!

2014/09/19 日光浴不足が原因?増える子どもの「くる病」に要注意!

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皆さんは「くる病」をご存知ですか? 近年、1歳前後の子どもに少しずつ増加していると言われている病気です。

“名前だけ は聞いたことがあるけど、実際どんな病気かは知らない” “なんとなく知っていて不安感はあるけどどうしたらいいかわからない”

こんな人も多いのではないでしょうか? 今回は子どもにとっての現代病ともなりつつある、「くる病」についてご説明します。

 

 「くる病」とは、どんな病気?

くる病は戦後の日本では多く見られた病気です。その後、栄養状態の良くなった1970年代以降にはほとんどみることのない過去の病気とされていました。ところが1990年代になってからは、くる病だと診断される子どもがぽつぽつと見られるようになったのです。特に幼い子どもを中心にして、最近ではごくありふれた病気といってもいい程患者数が増えつつあります。

乳幼児の“くる病” – NHKオンライン

 

くる病の主な症状は?

くる病とは、成長期(骨が発育する期間)の子どもにおこるもので、カルシウムが骨に沈着せず軟らかい状態になっている病気です。骨が軟らかくなる事で、以下のような様々な症状を引き起こします。

・足の変形

・重度のO脚やX脚

・頭蓋骨が軟らかくなる頭蓋ろう

・肋骨の一部がコブのように膨らむ

・低身長で伸びなくなってしまう

・虫歯になりやすい

特に足が不自然なO脚になっている事から、くる病に気づく親御さんが多くなっています。

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自宅での判断方法

1~2歳くらいの子どもの場合、足を伸ばした状態で両足の踵をつけて立ってみます。その際、膝と膝の隙間がおおむね3㎝以上あいていたら要注意です。また、くる病になると背が伸びにくくなるので、身長の伸びが極端に止まった場合も気をつける必要があります。

 

原因はビタミンD不足

くる病になってしまう原因、それは「ビタミンD不足」です。

子どもの手足の骨は、骨の幹の部分とその先端にある軟骨の部分から出来ています。その境目の部分にカルシウムやリンが沈着して骨になることで、骨が伸びて成長していきます。しかし、ビタミンDが極端に不足してしまうとこの沈着が悪くなり、骨が軟らかい状態を引き起こしてしまうのです。

 

現代の「くる病」を引き起こす3つの原因

くる病の原因が「ビタミンDの不足」である事からわかるように、現代ではビタミンD不足の子どもが多くなっているのです。

関東地方の健康な子どもの血中ビタミンD濃度を調べた結果、およそ4割の子どもがビタミンD不足であるというデータも出ています。では何故近年になってビタミンD不足の子どもが増加しているのか? 原因は大きくわけて3つ考えられます。

 

日光浴不足

ビタミンDは食べ物から摂取する以外にも、太陽光に当たることで、体内で作られる事がわかっています。

しかし、最近では“紫外線は肌に悪影響”というイメージが強くなっているため、太陽の下で遊ばせる事を控えたり、子どもにも日焼け止めクリームをしっかり塗ったりというママが多くなっています。日焼け止めクリームを塗っているとビタミンDが生成されないので、知らず知らずのうちに子ども達は日光浴不足になっているのです。

 

食事の偏り

近年ではアレルギーを抱えている子どもも増えています。そのアレルギーにより、どうしても食事が偏ってしまう事も原因の一つです。ビタミンDを多く含む食べ物として、卵や魚があげられますが、アレルギーで食べられない事からビタミンD不足を招く場合もあります。

 

完全母乳

ママ達の中にも赤ちゃんを母乳だけで育てているという人は多いと思います。母乳育児には様々な長所があり、1980年代の末からユニセフやWHOでも推進しています。しかし、母乳だけではビタミンDが不足しがちになることに注意が必要だと言う医師も多くいるのです。母乳は赤ちゃんにとって大切な免疫物質が含まれるなど利点が多いものの、ミルクに比べてビタミンDが非常に少ないことがわかっています。母乳であれば万能というわけではなく、不足しがちな栄養素もあることを知っておきましょう。

 

しっかり予防し、早期発見・早期治療が大切

 

「くる病」の予防ポイント

まず前提として、母乳にも良い点はたくさんありますし、紫外線も浴びすぎはよくありません。それを踏まえた上で、母乳育児の赤ちゃんは、適度に外で日光浴するようにしましょう。また、完全母乳にこだわらずにミルクもバランスよくあげる事を意識してみましょう。

そして、離乳食の時期になったらビタミンDが豊富な魚・卵・キノコなどを摂れるよう心がけて下さい。ビタミンDはある程度体の中に溜めておけるので、毎日食べる必要はなく、週に2~3回程度で大丈夫です。アレルギーがあるために離乳食や幼児食に制限がある場合には、主治医に相談してみて下さいね。

 

早期発見が大切

くる病は早いうちに発見し、ビタミンDを薬から補うなどの処置を施せば治る病気です。しかし、骨の変形を起こしたままにしておくと、骨の固定や手術などによる矯正が必要となり治療の時間も負担も大きくなってしまいます。そのため、早期診断し早期治療が重要になってきます。少しでも異変を感じたら早めに病院に相談に行く事が大切です。

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