妊娠高血圧症候群
約10年前までは、妊娠中に高血圧、尿タンパク、むくみ、急な体重増加などの症状が認められると、妊娠中毒症と診断されましたが、
その後これらの症状の中でも妊婦さん・赤ちゃんに異常を引き起こしやすいのは高血圧だということがわかり、診断名が「妊娠高血圧症候群」となりました。
妊娠高血圧症候群は未だはっきりした原因が解明されていません。
もともと高血圧や糖尿病の人はなりやすいと言われていますが、妊娠前、血圧が低かったからといって安心というわけでもありません。
症状がひどくなると母体、胎児共に大変危険な状態となることがあるので、日頃から血圧やその他の自覚症状にも気をつけていきましょう。
・妊娠20週以降~出産後12週までに血圧が高い場合
血圧 上 140mmHg以上
下 90mmHg以上
・尿たんぱくがみられる場合
この病気になると、母体は、けいれん発作(子癇)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、血管内の血液に異常を来す状態などを引き起こす危険性が高まり、連動して胎児には、胎児発育不全、常位胎盤早期剥離、胎児死亡などの危険性があります。
症状の度合いにもよりますが、分娩時の血圧の上昇に備えて適切な薬を使用し血圧のコントロールをしながら分娩や、場合によっては帝王切開が選択されることも。
手足のむくみ、急な体重の増加(500g以上/週)、頭が重い、頭痛、目がチカチカするなどが一般的。
ですが、自覚症状がなく妊婦健診で指摘され始めて気づくという人も多いのです。
安静にすること、薬による血圧のコントロール、食事の塩分制限と高たんぱく食が中心になります。
通院や自宅で療養することが難しい場合や、程度によっては、入院が必要となります。
多くの場合、出産と共に血圧が落ち着き症状が軽減します。
けれど、中には症状が軽減せず産後も高血圧が続いたり、妊娠中よりもむしろ産後に血圧が上がる人もいて、治療が必要となる場合も。
原因がわかっていないので、てきめんに効く予防法はないのですが、基本的には、疲労とストレスをためないように十分な休息と睡眠をとり、適度に運動をして、精神的にリラックスすること。
また、低カロリーで、塩分を控えた食生活を心がけましょう。
今回お話をお聞きしたのは
坂田清美先生
助産師。病院、助産院勤務、新生児訪問等を経て、現在は帝京平成大学で看護学生・助産師学生の指導・育成にあたっている。
17/11/10
17/05/15
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約10年前までは、妊娠中に高血圧、尿タンパク、むくみ、急な体重増加などの症状が認められると、妊娠中毒症と診断されましたが、
その後これらの症状の中でも妊婦さん・赤ちゃんに異常を引き起こしやすいのは高血圧だということがわかり、診断名が「妊娠高血圧症候群」となりました。
妊娠高血圧症候群は未だはっきりした原因が解明されていません。
もともと高血圧や糖尿病の人はなりやすいと言われていますが、妊娠前、血圧が低かったからといって安心というわけでもありません。
症状がひどくなると母体、胎児共に大変危険な状態となることがあるので、日頃から血圧やその他の自覚症状にも気をつけていきましょう。
教えて!妊娠高血圧症候群のこと
診断のポイント
・妊娠20週以降~出産後12週までに血圧が高い場合
血圧 上 140mmHg以上
下 90mmHg以上
・尿たんぱくがみられる場合
母体や胎児への影響
この病気になると、母体は、けいれん発作(子癇)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、血管内の血液に異常を来す状態などを引き起こす危険性が高まり、連動して胎児には、胎児発育不全、常位胎盤早期剥離、胎児死亡などの危険性があります。
お産への影響
症状の度合いにもよりますが、分娩時の血圧の上昇に備えて適切な薬を使用し血圧のコントロールをしながら分娩や、場合によっては帝王切開が選択されることも。
自覚症状
手足のむくみ、急な体重の増加(500g以上/週)、頭が重い、頭痛、目がチカチカするなどが一般的。
ですが、自覚症状がなく妊婦健診で指摘され始めて気づくという人も多いのです。
治療法
安静にすること、薬による血圧のコントロール、食事の塩分制限と高たんぱく食が中心になります。
通院や自宅で療養することが難しい場合や、程度によっては、入院が必要となります。
産後
多くの場合、出産と共に血圧が落ち着き症状が軽減します。
けれど、中には症状が軽減せず産後も高血圧が続いたり、妊娠中よりもむしろ産後に血圧が上がる人もいて、治療が必要となる場合も。
妊娠高血圧症候群にならないために
原因がわかっていないので、てきめんに効く予防法はないのですが、基本的には、疲労とストレスをためないように十分な休息と睡眠をとり、適度に運動をして、精神的にリラックスすること。
また、低カロリーで、塩分を控えた食生活を心がけましょう。
今回お話をお聞きしたのは
坂田清美先生
助産師。病院、助産院勤務、新生児訪問等を経て、現在は帝京平成大学で看護学生・助産師学生の指導・育成にあたっている。