出産後にいきんだ時の違和感の正体は「子宮脱」?

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出産後にいきんだ時の違和感の正体は「子宮脱」?

2014/06/30 出産後にいきんだ時の違和感の正体は「子宮脱」?

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妊娠や出産は女性にとって人生の一大事、そして体にも思った以上に大きな負担がかかるものです。出産後は体に色々な変化を感じますが、中でも「最近、膣の辺りに違和感があるな」という人は、もしかしたら子宮脱かもしれません。

 

 

 子宮脱とは、どんな病気?

子宮脱とは、子宮を支えている骨盤底筋群という筋肉が弱くなる事で、子宮が下に降りてきてしまい膣からでてくる病気です。子宮だけでなく、膀胱や直腸が一緒に下がってきてしまう事もある女性特有の病気なのです。

 

参考:東京都立多摩総合医療センター

 

最初はほとんどが無症状

子宮脱は初期段階や軽いものの場合ほとんど自覚症状がありません。

完全に膣が外側に出ると、下腹部に痛みを感じたり違和感を覚えたりしますが、そこまでは自分ではなかなか気づけないのです。

 

自覚するにはどうすれば?

子宮脱は普通にしている分にはなかなか気づけ無いものですが、“重いものを持ちあげた時”や“排便でいきんだ時”など、下腹部に力を入れた時に「おや?」と違和感を自覚する人が多いです。また、出っ張った部分が下着に擦れて痛みを感じ、出血して子宮脱を自覚する人も多いようです。

 

放っておくと膀胱炎の原因に

子宮脱をそのままにしておくと、子宮脱の影響で尿道の位置がずれてしまう事があります。そうすると、頻尿になったり、逆に尿が出にくくなったりしてしまう事があるのです。

更に、悪化してしまうと尿が全く出なくなってしまったり、膀胱炎を引き起こしたり、腎臓の働きにも悪影響が出てしまうので要注意です。

 

こんな人は要注意

子宮を支えている骨盤底筋群は出産や加齢によって緩むと言われています。

では具体的に子宮脱のリスクが高い人の特徴をあげてみましょう。

 

・3人以上出産経験のある人

・肥満の人

・便秘気味で、強くいきむ事が多い人

・3500g以上の大きな赤ちゃんを出産した人

・高齢出産の人

・重い物を持ち上げたり、立ちっぱなしの事が多い人

 

日常の中で“いきむ”動作が多い人は特に気をつける必要があります。

 

子宮脱は予防出来る?

一度外に出てしまった子宮を元の状態に戻すのは難しいです。まずは、子宮脱にならないために、前段階である子宮下垂を起こさないための予防をしてみましょう。

具体的には、肥満や便秘の改善、重い物を持たないようにするなど、生活の中で“いきむ”機会を減らすように生活改善をしましょう。

また、子宮脱を引き起こさないためには、無理な出産をしないのも大切です。特に高齢出産の場合は、出産により子宮脱になる可能性が高くなるので、自然分別にこだわらず帝王切開なども選択肢にいれる必要があるかもしれません。

 

子宮脱の治療法

予防法はあくまで予防法、子宮が完全に膣の外に飛び出してしまっていたり、尿道に異常を感じてしまっていたりという状態は治療が必要です。治療法としては、基本的には「ペッサリーの装着」か「手術」のどちらかです。

 

【ペッサリーによる治療】

 

膣の中にリング状やドーナツ型、円錐型のペッサリーを挿入し、下から子宮を支えて位置を元に戻す方法です。病院で適当な大きさや形のペッサリーを選んで挿入するので、違和感や痛みもなく性交渉にも問題はありません。ただし、定期的に病院で膣内の消毒やペッサリーの入れ替えを行う必要はあります。

 

【手術による治療】

 

手術の方法は病院や症状により様々です。飛び出してしまった子宮を摘出する手術や、伸びてしまった膣の壁を修復する手術など、状態に応じて様々な方法を組み合わせて行いますので、まずはお医者様としっかり話しあうことが大切です。

 

最終的には、子宮脱の程度や症状、年齢、本人の希望などを考慮した上で治療法を選ぶことになります。

 

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