かみつき、ひっかき問題に悩むママへ伝えたい体験談(後編)
乳幼児期にはよく問題になる、かみつきやひっかき。
やられる子、やる子、それぞれの悩みがあると思います。
可愛いわが子を守りたい気持ちは、どのママも同じ。
しかし、感情的になる前に、一歩ひいた視点で考えてみたいことがあります。
「やられる子」側について考えた前篇に続き、今回の後編では、「やる子」側について考えていきたいと思います。
かみつき、ひっかき問題に悩むママへ伝えたい体験談(前編)
やる子側について考えるとき、まず知っておいてほしいことがあります。
保育士さんたちから聞いた言葉です。
それは、「やんちゃは後からつくれない」「教育で“いい子”はつくれても“やんちゃな子”や“おてんばな子”はつくれない」ということ。
本人でもコントロールできないような大きなエネルギーは、持って生まれた財産です。
うまく生かせば誰にもできないことを成し遂げるパワーになりますし、もて余せば危険な行動に出る可能性もあります。
やんちゃな子が、頼れるリーダーになるか、理不尽な暴君になるか、はたまた小さくまとまるかは、親を含む周りの大人たちの理解にかかっているといっても過言ではありません。
昔に比べて、省エネタイプの人間が増えている昨今、やんちゃは世の中の財産とも言えるのではないでしょうか。
かみついたり、ひっかいたり、たたいたり。そうした暴力はどんな理由があったとしても許されません。
それは絶対的なこと。
だからこそ、そこを繰り返し伝えることが優先されて、やった理由が深く理解されないままになることもあります。
筆者はあるとき、やる子がポロっとこんな言葉を言ったのが忘れられません。
「Sはママが早くお迎えにくるのにわがままでムカつく」と。
幼児クラスなので、かみついたりひっかいたりはなくとも、その子がよくSくんを、たたいたり押したりしているのは知っていました。
その子は毎日延長保育で、その中でもママのお迎えが一番遅かったのです。
「自分だったらママが早くお迎えにきてくれるならもっといい子になるのに」とSくんに日々不満を感じていたのではないでしょうか。
またあるとき、やる子にとことん付き合って気持ちを聞いてくれていた先生が転園してしまったことがありました。
新しい先生は、「やる子は悪い子」という空気をつくる人でした。
結果的に、やる子は日に日に荒れ、行動がエスカレートしていったのです。
やる子側の行動の根っこには、「愛されたい」「理解されたい」「注目されたい」という気持ちが満たされていないイライラがあると思われます。
エネルギーの大きい子は、それだけ大きな愛や注目を求めることもしばしば。
他の子と同じように接しても満足しないことも多いのです。
その子が満足するやり方で、愛情と理解を伝えてあげる必要があるのかもしれません。
人のうちの子がどう育とうと関係ない。
人のうちのことにかまっていられるほど余裕はない。中にはそう思う人もいるかもしれません。
しかし、その子たちと共に、これから社会を生きて行くのは我が子たちです。
そしてそれは、やる子側の親にも言えることです。
やる子の親が周りとよい人間関係を築いている場合、理解が生まれやすく、行きすぎた否定や仲間はずれはあまり起こりません。
問題が悪化するときはたいてい、やる子の親も「自分たちのことしか考えていない」場合が多いのです。
自分の子のことだけ、という親の考えは、子どもにも伝わります。
そして将来、自分のことしか考えない人間が増えることにつながります。
それでは結果的に我が子が、生きにくい世の中を生きていかなければならなくなるのではないでしょうか。
自分の子だけでなく、子どもたちみんなを、社会全体で育てる。
そんな意識が広がっていけば、異分子を否定して排除しようとする動きも減っていくのではと思うのです。
かみつき、ひっかき問題に悩むママへ伝えたい体験談(番外編)
17/11/10
17/05/15
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乳幼児期にはよく問題になる、かみつきやひっかき。
やられる子、やる子、それぞれの悩みがあると思います。
可愛いわが子を守りたい気持ちは、どのママも同じ。
しかし、感情的になる前に、一歩ひいた視点で考えてみたいことがあります。
「やられる子」側について考えた前篇に続き、今回の後編では、「やる子」側について考えていきたいと思います。
かみつき、ひっかき問題に悩むママへ伝えたい体験談(前編)
かみつき、ひっかき問題に悩むママへ伝えたい体験談(前編)
やんちゃは後からつくれない
やる子側について考えるとき、まず知っておいてほしいことがあります。
保育士さんたちから聞いた言葉です。
それは、「やんちゃは後からつくれない」「教育で“いい子”はつくれても“やんちゃな子”や“おてんばな子”はつくれない」ということ。
本人でもコントロールできないような大きなエネルギーは、持って生まれた財産です。
うまく生かせば誰にもできないことを成し遂げるパワーになりますし、もて余せば危険な行動に出る可能性もあります。
やんちゃな子が、頼れるリーダーになるか、理不尽な暴君になるか、はたまた小さくまとまるかは、親を含む周りの大人たちの理解にかかっているといっても過言ではありません。
昔に比べて、省エネタイプの人間が増えている昨今、やんちゃは世の中の財産とも言えるのではないでしょうか。
やる子側にももちろん理由がある
かみついたり、ひっかいたり、たたいたり。そうした暴力はどんな理由があったとしても許されません。
それは絶対的なこと。
だからこそ、そこを繰り返し伝えることが優先されて、やった理由が深く理解されないままになることもあります。
筆者はあるとき、やる子がポロっとこんな言葉を言ったのが忘れられません。
「Sはママが早くお迎えにくるのにわがままでムカつく」と。
幼児クラスなので、かみついたりひっかいたりはなくとも、その子がよくSくんを、たたいたり押したりしているのは知っていました。
その子は毎日延長保育で、その中でもママのお迎えが一番遅かったのです。
「自分だったらママが早くお迎えにきてくれるならもっといい子になるのに」とSくんに日々不満を感じていたのではないでしょうか。
またあるとき、やる子にとことん付き合って気持ちを聞いてくれていた先生が転園してしまったことがありました。
新しい先生は、「やる子は悪い子」という空気をつくる人でした。
結果的に、やる子は日に日に荒れ、行動がエスカレートしていったのです。
やる子側の行動の根っこには、「愛されたい」「理解されたい」「注目されたい」という気持ちが満たされていないイライラがあると思われます。
エネルギーの大きい子は、それだけ大きな愛や注目を求めることもしばしば。
他の子と同じように接しても満足しないことも多いのです。
その子が満足するやり方で、愛情と理解を伝えてあげる必要があるのかもしれません。
自分の子のことだけ考える親が多い
人のうちの子がどう育とうと関係ない。
人のうちのことにかまっていられるほど余裕はない。中にはそう思う人もいるかもしれません。
しかし、その子たちと共に、これから社会を生きて行くのは我が子たちです。
そしてそれは、やる子側の親にも言えることです。
やる子の親が周りとよい人間関係を築いている場合、理解が生まれやすく、行きすぎた否定や仲間はずれはあまり起こりません。
問題が悪化するときはたいてい、やる子の親も「自分たちのことしか考えていない」場合が多いのです。
まとめ
自分の子のことだけ、という親の考えは、子どもにも伝わります。
そして将来、自分のことしか考えない人間が増えることにつながります。
それでは結果的に我が子が、生きにくい世の中を生きていかなければならなくなるのではないでしょうか。
自分の子だけでなく、子どもたちみんなを、社会全体で育てる。
そんな意識が広がっていけば、異分子を否定して排除しようとする動きも減っていくのではと思うのです。
かみつき、ひっかき問題に悩むママへ伝えたい体験談(前編)
かみつき、ひっかき問題に悩むママへ伝えたい体験談(番外編)