海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【ブータン王国編】
世界の子育てをのぞいてみれば、日々の子育てに思わぬヒントをもらえるかもしれません。
「所変われば品変わる」というように、日本では当たり前だと思っていたことが、海外から見ると驚かれたり、うらやましがられたり。
そんな日本と海外の子育ての違いについて、海外在住のママに取材しました!
ブータンのタクツァン寺院
ブータン在住のドルジ・理絵さん(44歳)。
夫のドルジ・カルマさん(50歳・ブータン王国出身)、長女の天海(ティエール)ちゃん14歳、次女の天空(ケルザン)ちゃん8歳、長男の天龍 (ゲサール)くん5歳の五人家族です。
「ブータンは今年で在住16年となります。主人とはハワイ大学で知り合いました。今でこそ『幸福の国』として日本のメディアでも取り上げられるようになりましたが、私が主人と知り合った当時は全く名が知られていない国でした。
『チベットとインドの間にある国』と主人が紹介してくれたときも『そんなところに国なんてあったっけ?』と頭をひねったものでした。それが結婚を機に移住することになりましたので、人生本当に何があるかわからないものです。
長女は、南インドにあるイギリス式の寄宿学校で勉強しております。次女は、主人の家族が経営しておりますペルキルスクール(2010年に開校した中高一貫の私立学校。2013年から小学部も開校しており、現在その小学部の校長を私が務めております)で、長男は家から歩いて5分程のところにあるモンテッソーリの保育園に通っております。
家族の会話は、主人が英語とゾンカ語(ブータンの母語)、私が日本語と英語で子どもたちに話しておりますので、家の中では常に3か国語が飛び交っております。子どもたちは、長女が英語で私たちに話しかけ、次女は父親にはゾンカ語、私には日本語、そして長男は主に英語を話すという破茶目茶な状態です(笑)」
「ブータンには、日本のように『できる奥様や母親像』というイメージが全くありません。
男性が普通に赤ちゃんを背負って市場で買い物をしています。その光景は、日本で育った私には驚くほど新鮮でした。
ブータンの女性も普通に『私も仕事をしているんだから当たり前』という感じなんです」
「日本でも子育ては十人十色、マニュアル通りにはいかなくて当たり前、と言われていますが、それでも月齢に応じた発達や成長について気にするママは多いと思います。
ブータンでは、先ほどの母親像と同じで、『こうしなければならない』という強い同調主義的なものがありません。
2歳ではこういうことができるはず、というようなプレッシャーもほとんどないので、親も子どももそれぞれ自分のペースでゆっくり子育てができる環境にあります」
「ブータンの人は甥や姪はもちろんのこと、遠い親戚の子どもまでも引き取って自分の家族の一員として受け入れます。
ブータンには孤児院というものが一つも存在しません。病院で親に受け入れられない赤ちゃんが生まれると、誰かが養子として引き取っていきます。ブータン全体が一つの大きな家族のような感じです」
「日本の保育士さんたちは、世界でもトップレベルの技量と器量を持ち合わせていらっしゃると思います。ブータンでもいつの日か日本の保育士さんのようなレベルのプロの方々が現場で活躍してくださる日がきて欲しいものです」
「日本で普通にある体育館や図書館、そして市民プールなどは海外に住んでいるとそれ自体がとても貴重な存在であると気づかされます。こういった公共施設が普通にあり、子どもたちが小さい頃からさまざまな体験をすることができるというのは、とてもうらやましいですね」
「ブータンは医療が無料で提供されておりますので、他国と比べるととてもよい環境だと思いますが、それでもその充実度はまだまだです。
子どもが小さいときは、子どもの健康を毎日神様に祈ったものです(もちろん今でも毎晩お祈りは欠かしておりませんが)。お金を払ってでもきちんと診てくださる個人の診療所という選択肢があると、もう少し安心して暮らせるように思います」
「子育てはマニュアル通りに行かないことばかりです。『日本の常識』と言われる子育ては海外に出ると全く異なっていたりすることも。何を常識とするか、何を非常識とするかは、(他人の意見を参考にしながら)ご自分で判断されたらよいと思います。
子育て関係の本は、自分でこの一冊と決め、濫読しないことですね。それよりも子どもをよく観察し、自分の直感を信じて欲しいです」
日本と海外の子育ての違い【ブータン王国編】、いかがでしたでしょうか。
日本は環境に恵まれている反面、考え方や人間関係で自らを縛ってしまっている部分があります。そこを少しずつ変えていくこと、心の自由と感謝の気持ちを忘れないことで、『幸福の国』ブータンに負けないくらい幸せな子育てができるようになるかもしれませんね。
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【アメリカ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【フランス編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【インドネシア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オランダ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【スウェーデン編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【シンガポール編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オーストラリア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【ネパール編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【中国編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【イタリア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【チリ編】
17/11/10
17/05/15
一覧を見る
TOP
世界の子育てをのぞいてみれば、日々の子育てに思わぬヒントをもらえるかもしれません。
「所変われば品変わる」というように、日本では当たり前だと思っていたことが、海外から見ると驚かれたり、うらやましがられたり。
そんな日本と海外の子育ての違いについて、海外在住のママに取材しました!
今回取材に協力してくれたのは?
ブータンのタクツァン寺院
ブータン在住のドルジ・理絵さん(44歳)。
夫のドルジ・カルマさん(50歳・ブータン王国出身)、長女の天海(ティエール)ちゃん14歳、次女の天空(ケルザン)ちゃん8歳、長男の天龍 (ゲサール)くん5歳の五人家族です。
「ブータンは今年で在住16年となります。主人とはハワイ大学で知り合いました。今でこそ『幸福の国』として日本のメディアでも取り上げられるようになりましたが、私が主人と知り合った当時は全く名が知られていない国でした。
『チベットとインドの間にある国』と主人が紹介してくれたときも『そんなところに国なんてあったっけ?』と頭をひねったものでした。それが結婚を機に移住することになりましたので、人生本当に何があるかわからないものです。
長女は、南インドにあるイギリス式の寄宿学校で勉強しております。次女は、主人の家族が経営しておりますペルキルスクール(2010年に開校した中高一貫の私立学校。2013年から小学部も開校しており、現在その小学部の校長を私が務めております)で、長男は家から歩いて5分程のところにあるモンテッソーリの保育園に通っております。
家族の会話は、主人が英語とゾンカ語(ブータンの母語)、私が日本語と英語で子どもたちに話しておりますので、家の中では常に3か国語が飛び交っております。子どもたちは、長女が英語で私たちに話しかけ、次女は父親にはゾンカ語、私には日本語、そして長男は主に英語を話すという破茶目茶な状態です(笑)」
海外から見た日本の子育て「ここが不思議!」
「できる奥様や母親像」というものがある
「ブータンには、日本のように『できる奥様や母親像』というイメージが全くありません。
男性が普通に赤ちゃんを背負って市場で買い物をしています。その光景は、日本で育った私には驚くほど新鮮でした。
ブータンの女性も普通に『私も仕事をしているんだから当たり前』という感じなんです」
子育てマニュアル的なものがある
「日本でも子育ては十人十色、マニュアル通りにはいかなくて当たり前、と言われていますが、それでも月齢に応じた発達や成長について気にするママは多いと思います。
ブータンでは、先ほどの母親像と同じで、『こうしなければならない』という強い同調主義的なものがありません。
2歳ではこういうことができるはず、というようなプレッシャーもほとんどないので、親も子どももそれぞれ自分のペースでゆっくり子育てができる環境にあります」
自分の子と他人の子を分けて考える
「ブータンの人は甥や姪はもちろんのこと、遠い親戚の子どもまでも引き取って自分の家族の一員として受け入れます。
ブータンには孤児院というものが一つも存在しません。病院で親に受け入れられない赤ちゃんが生まれると、誰かが養子として引き取っていきます。ブータン全体が一つの大きな家族のような感じです」
海外から見た日本の子育て「ここがうらやましい!」
保育士さんのレベルが高い!
「日本の保育士さんたちは、世界でもトップレベルの技量と器量を持ち合わせていらっしゃると思います。ブータンでもいつの日か日本の保育士さんのようなレベルのプロの方々が現場で活躍してくださる日がきて欲しいものです」
公共施設が充実している
「日本で普通にある体育館や図書館、そして市民プールなどは海外に住んでいるとそれ自体がとても貴重な存在であると気づかされます。こういった公共施設が普通にあり、子どもたちが小さい頃からさまざまな体験をすることができるというのは、とてもうらやましいですね」
医療施設が充実している
「ブータンは医療が無料で提供されておりますので、他国と比べるととてもよい環境だと思いますが、それでもその充実度はまだまだです。
子どもが小さいときは、子どもの健康を毎日神様に祈ったものです(もちろん今でも毎晩お祈りは欠かしておりませんが)。お金を払ってでもきちんと診てくださる個人の診療所という選択肢があると、もう少し安心して暮らせるように思います」
日本の子育てママさんたちに伝えたいことは?
「子育てはマニュアル通りに行かないことばかりです。『日本の常識』と言われる子育ては海外に出ると全く異なっていたりすることも。何を常識とするか、何を非常識とするかは、(他人の意見を参考にしながら)ご自分で判断されたらよいと思います。
子育て関係の本は、自分でこの一冊と決め、濫読しないことですね。それよりも子どもをよく観察し、自分の直感を信じて欲しいです」
まとめ
日本と海外の子育ての違い【ブータン王国編】、いかがでしたでしょうか。
日本は環境に恵まれている反面、考え方や人間関係で自らを縛ってしまっている部分があります。そこを少しずつ変えていくこと、心の自由と感謝の気持ちを忘れないことで、『幸福の国』ブータンに負けないくらい幸せな子育てができるようになるかもしれませんね。
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【アメリカ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【フランス編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【インドネシア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オランダ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【スウェーデン編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【シンガポール編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オーストラリア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【ネパール編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【中国編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【イタリア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【チリ編】