海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【カナダ編】
カナダ在住の荒尾幸子さん(36歳)。夫の英孝さん(33歳)、長女のりこちゃん(4歳)、次女のたまきちゃん(5か月)の日本人4人家族です。
「現在カナダ在住11か月目です。日系企業に勤める夫の仕事の都合でカナダに来ました。
長女・りこは日系のチャイルドケアセンターという、日本で言う保育園に通っています。先生も全員日本人で、日本語で教育を受けています。
トロントでは私たちのような駐在員(永住権を持たない外国人)の子でも4歳になる年の9月から、無料でパブリックスクールという公立小学校の付属幼稚園に通うことができ、もうすぐそちらへ編入予定です。
りこは日本語しか話せないので少し心配していますが、先輩ママの話を聞くと幼稚園生はアッという間に英語を覚えるので心配ない、とのことでした。アッという間に覚える・・・大人としては実にうらやましいです」
「カナダでは、妻の検診のために夫が仕事を休んで付き添うのは当然のこと。
妊娠期間中から出産、出産後の検診にいたるまで、病院へ来るときは夫婦一緒なのが当たり前らしく、病院の待合室はカップルだらけでした。
次女をカナダのトロントで出産した際、私がひとりで検診に行くと、ドクターから『ご主人は? なぜ来てないの?』という感じで質問されたのが印象的です。
(C) Sachiko Arao
車社会で妊婦や子連れで運転は危険だから、という理由ももちろんありますが、子育ては夫婦でやるのが当然という考えが大きいように感じました。
幼稚園の送迎もパパとママの割合が同じくらいです。
そして、危険に対する考えとしては、カナダも日本と同じように子どもが車に乗るときはカーシート(日本で言うチャイルドシート)の使用が必須で、新生児から厳しく警察に取り締まられるようです。
私自身、出産後、生後2日(カナダの出産の入院期間は1泊2日です)で赤ちゃんと退院する際も、自家用車でもタクシーでも必ずカーシートを用意するように指示されました。持ってきてないと退院させてもらえないようです。
子どもに対する安全管理は日本より高いように感じました」
「カナダに来てから、子連れでいると1日に何度も話しかけられます。
日本でもご年配の女性からお声がけいただくことはありますが、カナダでは老若男女すべての方が子どもにやさしく『カワイイわね!』『何歳?』『うちの子は~』など知らない人にも気軽に話かける文化があります。
カナダの人々はものすごくフレンドリーで、妊娠中に1人で出かけていても、よく話しかけられました。スーパーやコンビニのレジでお店の人やお客さん同士が世間話をするのは普通です。
地下鉄やお店でも、あきらかに初対面の人同士が気軽に会話を始め、楽しく盛り上がっている状況をよく目にします。
以前、道がわからなくて人に尋ねたとき「私もわからない・・・けど、ねぇあなたは知ってる?」とその方が通りがかった知らない方に尋ねてくださり「わからないけどこっちじゃない?」となぜか見ず知らずの人と3人で目的地まで行ったこともありました。
移民や留学生が多いカナダでは、他所から来た人間に親切ですし、何か力になりたい、助けたいという思いが強いように感じました。
おかげで人見知りだった長女が自ら挨拶をしたり、手をふったり、以前よりはるかに社交的になりました」
イースターのエッグハント (C) Sachiko Arao
「カフェやレストラン、公園などでペロンとおっぱいを出して授乳しているママをよく見かけます。
授乳ケープを使ったり隠したりもしていないのですが、周りも特に気にする様子もなく、赤ちゃんがいるなら当然といった感じで街に馴染んでいます。
私自身、次女が5か月の乳児なのでこの環境はありがたい、と思いました。
だからといってペロンと出す勇気はまだないのですが・・・(笑)」
「日本の小分け文化が本当に便利だと思います。
お菓子や調味料が少量ずつ小分けになっていたり、個別に包装されているとさすが! と思います。
1回分の離乳食のパウチなどは本当に助かりますよね」
「日本は安いモノでも品質がとにかく良いですね。ボールペン1本にしても、食品を包むラップにしても、使いやすくて丈夫です。
こちらで買った安い日用品、文房具は本当にお値段分の働きしかしません。使いにくく、壊れやすく、不良品も多いです。
それに比べて日本の製品は本当に使いやすく丈夫です。カナダにも高くて良いモノはたくさんありますが、安くて良いモノは日本にしかないように思います」
「日本のトイレの美しさ、多さ、質は素晴らしいと思います。日本の便座を持って歩きたいほど、カナダの便座は座り心地が悪いです。
古き良き街並みは素敵ですが、トイレも暗く古く、オムツ替えのできるトイレがあるお店などはほとんどありません。駅にも無いので、急に子どもが『おしっこ!』と叫んだとき、冷や汗がでます」
「日本で子育てをしていたときは、公共の場でうるさくしてはいけないとか、泣かせてはいけない、といった社会のルールを守るのに必死でした。
カナダはそのストレスが少ないように感じます。ですが、日本では手軽に手に入るものが無かったり、質が悪かったり、選択肢が格段に少なかったり。
不便さを我慢しないといけない場面があり、いい所があれば悪い所もあるんだなぁと思いました。ストレスばかりを感じていたように思っていましたが、離れてみて初めて、日本での子育ては本当に恵まれていて、快適だったと気づきました」
日本と海外の子育ての違い【カナダ編】、いかがでしたでしょうか。
日本の公共設備の清潔さや、日本製品の品質・便利さについては、これまでにもいろいろな国にいるママたちから絶賛されていますね。子育ては毎日大変なことばかりですが、改めて日本の子育ての快適さに感謝する気持ちを持つと、少し心に余裕が生まれるかもしれません。
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今回取材に協力してくれたのは?
カナダのトロント (C) Sachiko Arao
カナダ在住の荒尾幸子さん(36歳)。夫の英孝さん(33歳)、長女のりこちゃん(4歳)、次女のたまきちゃん(5か月)の日本人4人家族です。
「現在カナダ在住11か月目です。日系企業に勤める夫の仕事の都合でカナダに来ました。
長女・りこは日系のチャイルドケアセンターという、日本で言う保育園に通っています。先生も全員日本人で、日本語で教育を受けています。
トロントでは私たちのような駐在員(永住権を持たない外国人)の子でも4歳になる年の9月から、無料でパブリックスクールという公立小学校の付属幼稚園に通うことができ、もうすぐそちらへ編入予定です。
りこは日本語しか話せないので少し心配していますが、先輩ママの話を聞くと幼稚園生はアッという間に英語を覚えるので心配ない、とのことでした。アッという間に覚える・・・大人としては実にうらやましいです」
海外から見た日本の子育て「ここが不思議!」
検診はママ一人で来るのが一般的
「カナダでは、妻の検診のために夫が仕事を休んで付き添うのは当然のこと。
妊娠期間中から出産、出産後の検診にいたるまで、病院へ来るときは夫婦一緒なのが当たり前らしく、病院の待合室はカップルだらけでした。
次女をカナダのトロントで出産した際、私がひとりで検診に行くと、ドクターから『ご主人は? なぜ来てないの?』という感じで質問されたのが印象的です。
(C) Sachiko Arao
車社会で妊婦や子連れで運転は危険だから、という理由ももちろんありますが、子育ては夫婦でやるのが当然という考えが大きいように感じました。
幼稚園の送迎もパパとママの割合が同じくらいです。
そして、危険に対する考えとしては、カナダも日本と同じように子どもが車に乗るときはカーシート(日本で言うチャイルドシート)の使用が必須で、新生児から厳しく警察に取り締まられるようです。
私自身、出産後、生後2日(カナダの出産の入院期間は1泊2日です)で赤ちゃんと退院する際も、自家用車でもタクシーでも必ずカーシートを用意するように指示されました。持ってきてないと退院させてもらえないようです。
子どもに対する安全管理は日本より高いように感じました」
見知らぬ人から話しかけられることはあまりない
「カナダに来てから、子連れでいると1日に何度も話しかけられます。
日本でもご年配の女性からお声がけいただくことはありますが、カナダでは老若男女すべての方が子どもにやさしく『カワイイわね!』『何歳?』『うちの子は~』など知らない人にも気軽に話かける文化があります。
カナダの人々はものすごくフレンドリーで、妊娠中に1人で出かけていても、よく話しかけられました。スーパーやコンビニのレジでお店の人やお客さん同士が世間話をするのは普通です。
地下鉄やお店でも、あきらかに初対面の人同士が気軽に会話を始め、楽しく盛り上がっている状況をよく目にします。
以前、道がわからなくて人に尋ねたとき「私もわからない・・・けど、ねぇあなたは知ってる?」とその方が通りがかった知らない方に尋ねてくださり「わからないけどこっちじゃない?」となぜか見ず知らずの人と3人で目的地まで行ったこともありました。
移民や留学生が多いカナダでは、他所から来た人間に親切ですし、何か力になりたい、助けたいという思いが強いように感じました。
おかげで人見知りだった長女が自ら挨拶をしたり、手をふったり、以前よりはるかに社交的になりました」
イースターのエッグハント (C) Sachiko Arao
授乳中でも胸を出すのは厳禁
「カフェやレストラン、公園などでペロンとおっぱいを出して授乳しているママをよく見かけます。
授乳ケープを使ったり隠したりもしていないのですが、周りも特に気にする様子もなく、赤ちゃんがいるなら当然といった感じで街に馴染んでいます。
私自身、次女が5か月の乳児なのでこの環境はありがたい、と思いました。
だからといってペロンと出す勇気はまだないのですが・・・(笑)」
海外から見た日本の子育て「ここがうらやましい!」
小分け文化が便利!
「日本の小分け文化が本当に便利だと思います。
お菓子や調味料が少量ずつ小分けになっていたり、個別に包装されているとさすが! と思います。
1回分の離乳食のパウチなどは本当に助かりますよね」
安くて良いモノが充実している
「日本は安いモノでも品質がとにかく良いですね。ボールペン1本にしても、食品を包むラップにしても、使いやすくて丈夫です。
こちらで買った安い日用品、文房具は本当にお値段分の働きしかしません。使いにくく、壊れやすく、不良品も多いです。
それに比べて日本の製品は本当に使いやすく丈夫です。カナダにも高くて良いモノはたくさんありますが、安くて良いモノは日本にしかないように思います」
トイレが美しい! 便座も座り心地最高!
「日本のトイレの美しさ、多さ、質は素晴らしいと思います。日本の便座を持って歩きたいほど、カナダの便座は座り心地が悪いです。
古き良き街並みは素敵ですが、トイレも暗く古く、オムツ替えのできるトイレがあるお店などはほとんどありません。駅にも無いので、急に子どもが『おしっこ!』と叫んだとき、冷や汗がでます」
日本の子育てママさんたちに伝えたいことは?
「日本で子育てをしていたときは、公共の場でうるさくしてはいけないとか、泣かせてはいけない、といった社会のルールを守るのに必死でした。
カナダはそのストレスが少ないように感じます。ですが、日本では手軽に手に入るものが無かったり、質が悪かったり、選択肢が格段に少なかったり。
不便さを我慢しないといけない場面があり、いい所があれば悪い所もあるんだなぁと思いました。ストレスばかりを感じていたように思っていましたが、離れてみて初めて、日本での子育ては本当に恵まれていて、快適だったと気づきました」
まとめ
日本と海外の子育ての違い【カナダ編】、いかがでしたでしょうか。
日本の公共設備の清潔さや、日本製品の品質・便利さについては、これまでにもいろいろな国にいるママたちから絶賛されていますね。子育ては毎日大変なことばかりですが、改めて日本の子育ての快適さに感謝する気持ちを持つと、少し心に余裕が生まれるかもしれません。
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【アメリカ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【フランス編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【インドネシア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オランダ編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【スウェーデン編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【シンガポール編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【オーストラリア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【ネパール編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【中国編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【イタリア編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【ベルギー編】
海外から見た日本の子育て、ここが不思議!ここがうらやましい!【チリ編】